space●植物分類と品種について
space貝原益軒の大和本草


じねんじょう以外の山芋類
【外来の栽培種

じねんじょう以外のじねんじょう山芋の葉形
【じねんじょうの葉形】対生

トコロ類の葉形
【トコロ類の葉形】互生

 

●植物学的な分類
 植物学・農学・園芸学など広い分野から研究者・専門家が集まり、シンポジウムの開催やHPによる情報の公開・共有を行っている「ヤマノイモの会」なるグループがあります。植物学的分類に関しては、このグループの豊富な研究成果に依るのが、順当と思われますので、詳しくは「ヤマノイモの会」のサイトをご覧くださいませ。
 このページトップの「植物分類ツリー」はその研究を手前勝手にまとめて図にしたものです。まったく簡略にまとめてしまえば次のようになります。
 ヤマノイモ科の植物は、世界中で600種ばかりあって、その内、日本には変種を含めて18種が認められており、ヤマノイモ属の括りに納められいる。さらにその内16種が自生種で、2種(ナガイモ種とダイジョ種)が栽培種である。 自生種の内で、そのまま生食できるものが、ヤマノイモ種である。学名はD.japonica(ジャポニカ)、呼称は、ヤマノイモ、じねんじょう、自然薯などと地域や立場によって様々である。

 学術的な関心のある方は上記のサイトの方をお読みください。16種の葉形なども掲載されていますので参考になります。自生種は鬼野老(オニドコロ)をはじめ、殆どはそのまま食べれません。種類によっては有毒のものもありますので、天然の山掘りに慣れていない方は、よく確認してから召し上がってください。
 簡単な見分け方は、葉形がずんぐりハート型がドコロ類、細長いハート型がじねんじょう、一番確かな判断基準は、葉が互生(ドコロ類)対生(じねんじょう)で見極めることです。葉が枯れ落ちていてもツルと茎がT字型なら互生で、十字型なら対生ということです。

     
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じねんじょう以外の山芋類
【外来の栽培種

 

じねんじょう以外のじねんじょう山芋の葉形
強い粘りやアクも特徴だが、伸びも自然生ならではの際立った特性です。

 

●形質・品種・品質
 「じねんじょうと言ってもピンからキリまで」
日本固有の自生種じねんじょうですが、他の山芋類との分類上の違いは前に述べました。しかし、このじねんじょうにおきましても、地域、生育環境によって雑多な品種があって、日本全国の山々どこで採取しても、圃場で育成しても全てが同じ形質・品質とはいきません。(同じ種を植えても環境で変化を起こす→馴化の項を参照ください)
 また、同じタネを使ったとしても、ソメイヨシノのように接ぎ木で増やすものとは違って、形質を完全にリピートするとは限らず、場所を変えれば、その環境に合わせた馴化によって品質は変化していきます。

 天然の山掘りじねんじょうにおいても、食味・風味にバラツキがあって一様ではありません。よく言われる「栽培ものは、天然に劣る」というのは、的外れな言い様です。天然=ベストという変な神話がまかり通っていますが、モノそのものを見極めることが大切です。天然ですから品質がバラけるのは当然で、美味しいヤマノイモ、不味いもの、形質もいろいろあってしかるべきものだと言えます。

 食材として流通している「ヤマノイモ」を、食味・風味・形質から大きく4つに大別したものが、上記のA〜Dです。
 じねんじょうは、土の硬軟で伸長が変化し、石や岩、多湿を避けて成長するので、蛇のようにグネグネと曲がった形状となります。天然の野生種は特にその形質が強く、普通は障害物の少ない圃場で育成すると、まっすぐに伸長して育ちますが、(A)の野生種ではその曲がる性質は失われず、図のようなヤマイモらしい姿になります。
 生でかじって食しても、甘く優しい風味があり、そして、摺おろしてとろろ状にすると、たちまちに褐変して赤土の香りのような風味を醸し出します。さらに、特筆すべきは繊維の伸びです。おろし金で切おろすのではなく、すり鉢で丹念にダシ汁を加えながら摺伸ばしていくと、5倍ほどのダシ汁にも耐えることができ、風味が倍増していきます。
 また、褐変の素であるポルフェノール類(健康機能性)もB・C・Dより多く、含有量が2倍ほど差異があることも検証されています。(下図グラフ参照)

 

貝原益軒の大和本草
  (図表:やまいもまつり提供)

 


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